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突然の液状化を生み出す「流動床インターフェース」(中編)

的場やすし

的場やすしが取り組む「流動床インターフェース」。インタビューの中編では、そのアイデアの広がりについて聞いた。

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取材・文:山本貴也

的場やすしの「流動床インターフェース」は、2017年度異能vationプログラム破壊的な挑戦部門に選出された。流動床という現象自体は、的場自身が発見したわけではない。しかし、焼却炉などで使われていた流動床の技術を人が触る用途に応用するというアイデアは画期的だった。

(流動床インターフェースの概要を聞いた前編はこちら

流動床を使ったインターフェースは、さまざまな可能性を持っている。そのひとつが、エンターテインメントの用途だ。異能vationプログラムの1年が始まり、的場は流動床のインターフェースをおばけ屋敷に応用する装置に着手した。

おばけ屋敷は、物陰からおばけが突然現れて驚かすのが定番。このとき、普通ならおばけは人と離れたところで出たり入ったりする。しかし流動床インターフェースを使えば、歩いている足元からおばけを出すこともできる。

「大きめの人形を用意して、地面から出したり引っ込めたりする装置を作りました。流動床の技術を使うと、おばけ屋敷に入った最後の一人だけ落とし穴に落とすようなこともできるんですよ。スイッチ入れていない状態だと普通の地面ですが、スイッチを入れた途端、今まで歩いていた地面が液状になってズボッと足がはまる。これは驚くと思います」と的場は笑う。

縦に深い流動床インターフェース

また、暗闇の中で光を発する蓄光樹脂のペレットを使った装置も製作した。ペレットを砂の下の方に敷き詰め砂を被せておくと、見た目は普通の地面だ。しかし周りを暗くして下から空気送って砂を流動化させると、砂より軽いペレットが浮き上がり、地面が光り出したように見える。幻想的な演出ができる仕組みだ。

そのほか、焼き芋を作る実験も行った。砂は高温に強く、鉄は1500度ほどで溶けるが砂は1800度くらいまで耐えられる。熱した砂を流動床で浮かせて中にものを入れると、砂から熱が伝わり、空気も供給されるのですぐ燃える。流動床が焼却炉で使われているのはこの原理だ。

流動床で焼き芋を作る実験

「熱した砂を流動床にすると、熱が全体に満遍なく伝わって焼き芋がすぐできます。逆に砂はマイナス150度にしてもサラサラの状態が保てるので、魚などを冷凍することもできます。いろんな可能性が考えられますね。僕は自分で何もかも作ろうとは思っていません。可能性を示すことが大事だと思っています。こんなことができるよと見せてあげれば、それを元にして誰かが新しい何かを作ってくれる。そのための情報発信をしていければ」と的場は言う。

次回は、異能vationプログラム以降の展開について話を聞く。

後編に続く


的場やすしプロフィール

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