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突然の液状化を生み出す「流動床インターフェース」(前編)

的場やすし

的場やすしが取り組む「流動床インターフェース」は、砂状の物体を液状化させる「流動床」現象を用いたインターフェース。その着想と概要を聞いた。

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取材・文:山本貴也

何もない砂の中から、突然バスケットボールが浮かび上がってくる──。2017年度の異能vationプログラム破壊的な挑戦部門に選出された的場やすしの「流動床インターフェース」は、こんな不思議な体験ができる作品だ。

砂などの粒体が入った容器の底から空気のような流体を吹き上げると、粒体が浮き上がって流動化し、液体のような状態になる。この現象は「流動床(あるいは流動層)」と呼ばれ、主に焼却炉などで使われてきた。的場の作品は、流動床をさまざまなエンターテインメントに応用したものである。

流動床インターフェース

的場はもともと流動床の研究を行っていたわけではなく、大学でインターフェースの研究をしていた。しかし、「子どもの頃から人が思いつかないようなアイデアを考えるのが好きだった」という的場のこと。作っていたのは、普通のインターフェースではない。

たとえば、「SplashDisplay」はリアルに爆発するディスプレーだ。テーブル状のスクリーンに発砲スチロールの細かいビーズが敷き詰めてあり、そこに映像を投影する。映像の爆発シーンとともに、発泡スチロールが本当に爆発して飛び散るという仕掛けだ。

「AquaTop Display」は、お風呂の水面をタッチパネルディスプレーにしたもの。お風呂に入浴剤を入れて真っ白にし、上からプロジェクターで映像を投影する。水面から指を突き出したり上からタッチしたりすると「Kinect」という特殊なセンサーカメラが場所を検出し、お風呂の水面がタッチパネルになるという作品だ。

そのほかにも、タッチすると感電して指先が痛いタッチパネル、魚の体に映像を投影したディスプレーなど、数々のユニークな作品を作っていた。

そんなある日、YouTubeで「流動床式焼却炉」についての動画を目にした。「大きい地面を作って映像を投影すれば、ディスプレーの上を歩けるようになる。スイッチを入れると、砂の中で泳げるような装置も作れる。これでインターフェースを作れば、絶対面白いものができると思いました」と、的場は流動床に大きな可能性を感じた。

流動床インターフェースを体験する中学生

2016年から、流動床を使ったインターフェースの製作を開始。一畳ほどの大きさのプロトタイプを完成させた。そして“他薦”というかたちで異能vationプログラムに出会った。「流動床という現象を応用して作ってみたいインターフェースのアイデアが、いくつもありました。異能vationでそのサポートが得られればと思いました」と的場は当時を振り返る。

次回は、異能vationプログラムでの開発について聞いていく。

中編に続く


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