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失われた“声”を取り戻す「Syrinx」(後編)

竹内雅樹

異能vationプログラムを経てウェアラブル人工喉頭「Syrinx」をさらに進化させた竹内雅樹だが、その視線は未来を見続けている。実際、Syrinxが正しく進化を遂げれば救われる人々は多いだろう。

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文:山本貴也

竹内雅樹は、異能vationプログラムが終了したあともウェアラブル人工喉頭「Syrinx(サイリンクス)」の開発を続けている。

(インタビューの前編はこちら

Syrinxを実際に使用した人から、「ブーッという振動音の漏れが気になる」というフィードバックを得ていた。この点についてはハードウェアの部分で改良してもうまくいかないため、ソフトウェア面で解決策を探っている。「こうして開発の方向性が定まったのも、異能vationのときにいろいろ失敗したからこそです」と竹内は言う。

また、現在取り組んでいることのひとつが完全ハンズフリー化だ。Syrinxは以前、スマートフォンとつなげて操作するようになっていた。異能vationプログラム中、デバイスをケーブルで回路基板とつなげ、スマートフォンが要らない形にしていたが、ボタンを押すという作業は残っており、完全なハンズフリーにはなっていない。

装着部と回路基板部のみで成立するようになった「Syrinx」

「ボタンを押すというのは簡単なようで、話し始めるときにいちいち押すのはやはり面倒なものです。話し始めを自動的に検知し、ボタンを押さなくても始動する完全なハンズフリー化を目指しています」と竹内は先を見据える。

また、大きな課題となっているのがSyrinxによって出る声には抑揚がなく、機械的に聞こえることだ。人は話をするとき、特に意識することなく声の大小、高さを調整している。しかし、Syrinxはまだそのレベルには到達していない。「Syrinxに限らず、人工喉頭は声に自然に抑揚をつけられるようにはなっていません。そこは絶対にやりたいと思っています。実現したら、日本にとどまらず世界各国の患者さんに使ってもらえるのではないかと思っています」と竹内の夢は膨らむ。

最後に、異能vationプログラムへの応募を考えている人へのメッセージを聞くと、こんな言葉を残してくれた。

「自分のしたいことがもしもあるのなら、絶対に申し込んだほうがいいと思います。僕の場合は困っている人を助けるという、ある意味わかりやすい部分があるんですけど、そうでなくても、自分のやりたいこと、自分の叶えたいことというのが大切だと思います。よく『お金にならないことはやめろ』みたいに言ってくる人がいますが、僕はまったくそうは思いません。自分がしたいと思ったことは絶対にやったほうがいいし、異能vationプログラムはそうした思いをサポートしてくれる本当に貴重な機会です。やりたいことがあるのであれば、ぜひ応募してみてください」

大切なのは、自分がやりたいという思い。竹内も、異能vationをステップに自分が実現したいことに向けて邁進している。


竹内雅樹プロフィール

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