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デジタルとアナログの融合から生まれる「人の目を離さない表示デバイス」(中編)

2021年度「破壊的な挑戦部門」の挑戦者であるBBコリーは、異能vationプログラム中にすでに開発していた「時間が溶ける時計」の発展に取り組んだ。

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文:山本貴也

2021年度異能vationプログラム「破壊的な挑戦部門」に選ばれたBBコリーは、それまでに開発していた「時間が溶ける時計」の発展形に挑んだ。まず取り組んだのは、桁数の増加である。

(インタビューの前編はこちら)

それまでのものは、2桁の数字を表示するようになっていた。たとえば「12」「36」と連続で表示し、12時36分であることを表すやり方だ。それを1桁ずつのユニットに独立させ、そのユニットを並べることで、理論的には無限に桁数を増やせるようにした。6桁にすれば、時間/分/秒が同時に表示できる。

問題となったのは、電力だった。「人の目を離さない」をテーマに、異能vationプログラムでは従来の「時間が溶ける時計」をより大きくしていった。すると、桁数を増やしていったため、電力が足りなくなってしまったのだ。「自分の家で開発していたので家庭用電源で動かしていたのですが、すべての桁の電力を1つの電源ではまかなえないことがわかりました。そこで、2桁で1つのACアダプターの電力を共有するように機構を変更しました」とBBコリーは振り返る。

進化させたのは、桁数だけではない。プラス・マイナス、コロン、アンダーバー、℃(度数表示)、スラッシュなどの記号も表示できるようになった。コロンを使えば、「12:36:10」のようにより時計に近い形で時間の表示ができるし、℃を使えば温度の掲示になる。スラッシュを使えば、「8/40」といった割合を表すことも可能だ。

「20:42:09」を示す「時間が溶ける時計」の発展形

「たとえば企業の展示会などで商品の燃費や度数といった数字をカンバン代わりに表すなど、人の目を引きたい、人の目を離したくない場所で使ってもらえたら」というのがBBコリーの希望だ。

しかし、そのための課題も残った。試験的にある展示会に持っていったところ、動かなくなってしまったという。「家の中で動かしていたときにはわからなかったことが、いくつか判明しまして……。透明の円盤が重なって数字や記号を表示する仕組みになっているのですが、持って行ったところが屋外の湿度が高いところで、円盤同士がくっついて動かなくなってしまったんです。あと、運搬のときに振動でパーツが割れてしまったりということもありました。そういった耐久性、タフネスの部分が課題だと思います」とBBコリーは言う。

Make Faire Tokyoでのデモンストレーション

次回は、異能vationプログラム以降の活動について話を聞く。

後編に続く

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