2015年度 異能Vation破壊的な挑戦部門 挑戦者
半導体(MPU)の性能の向上に伴い、組込OSも次第に肥大化してきた。同時に、数ミリサイズの超小型MPUも登場してきており、ユビキタスコンピューティングの世界が現実のものとなってきた。しかし、生体に埋め込めるほどの超小型MPUは登場してきたが、超小型な軽量実装の組込OSは存在せず、技術的なホワイトスペースが存在していた。 そこで異能vationのテーマでは、ロボットや生体等への適用が可能な、高信頼性組込OSを開発することを目指した。従来の組込OSと異なり、超軽量実装と超小型MPUへの適用を意図し、これまでOSの存在しなかった分野への進出を目指した。 高信頼性の証として第三者機関による認証取得には至らなかったが、本システムの生体への適用を目指した結果、ロボットのように生物を誘導する制御システムの開発に至り、生体群制御(R)と名付けた。 現在は最初の取り組みとして、水中生物(魚など)を対象に養殖分野での事業化を目指している。例えば、魚をシステムが自動で誘導することで、従来の手作業による水揚げ作業を自動化するなどである。 将来的には、水中だけでなく陸上や空中など、あらゆる生物をロボットのように制御することを目指し、新たな学術領域の創出をも行いたい。
炎重工株式会社 代表取締役
筑波大学大学院 博士後期課程 2年 岩手県滝沢村出身、1982年生。2007年 筑波大学大学院システム情報工学研究科を修了し、CYBERDYNE株式会社に入社。 ロボットスーツHAL福祉用及び医療用の電装系設計に従事。 ISO13482,ISO13485等の認証取得、製品上市を経験する。東日本大震災を機に退職・帰郷し、2016/2月に炎重工株式会社を設立。