2018年度 異能Vation破壊的な挑戦部門 挑戦者
本邦のがんの罹患数は大腸がんが第1位、胃がんが第2位であるが、その検診受診率は低い状況にある。その背景には内視鏡検査が痛くて辛そう、恥ずかしいなどの理由が挙げられる。通常の内視鏡に比べ、カプセル内視鏡はただ飲み込むだけの検査で、苦痛や放射線被曝がない。ただ、従来のカプセル内視鏡では容積の大きい胃の観察はほとんど不可能である。また、保険適用されている大腸カプセル内視鏡は検査が長時間で下剤内服量が多く、普及していないのが現状である。その欠点を克服するために、カプセル内視鏡を体外から磁石で誘導し、1回の検査で食道〜肛門までの消化管を効率的に観察できるシステムを開発し、その検出能・安全性を検証する。
藤田医科大学主任教授
1988年卒業後徳洲会病院勤務、2001〜2005年大学院、2007〜2008年アメリカ・バーナム研究所、2001年~名古屋大学医学部消化器内科助手、2006年~名古屋大学医学部消化器内科講師、2013年~藤田保健衛生大学消化管内科准教授、2015年~藤田保健衛生大学消化管内科主任教授(2018年10月から藤田医科大学に校名変更)。専門は消化管(特に小腸・大腸)疾患の内視鏡診断・治療、カプセル内視鏡、ピロリ菌による慢性胃炎から胃癌発生のメカニズムに関する研究、腸内細菌・糞便移植に関する研究、難治性消化管疾患の分子生物学的解明、大腸癌の早期診断法、バイオマーカーの開発。所属学会は日本消化器内視鏡学会東海支部(幹事)、日本カプセル内視鏡学会(理事)、日本小腸学会(理事)、日本消化器病学会(財団評議員)、日本消化器内視鏡学会(社団評議員)、日本内科学会(東海支部評議員)、日本消化器がん検診学会(東海北陸支部評議員)、アメリカ消化器病学会(Fellow)、日本消化管学会(代議員)、日本高齢消化器病学会(評議員)、日本大腸肛門病学会(評議員)。