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身の回りの“人”を素材にして遊ぶARカメラアプリ「ARama!」(後編)

守下 誠

ARカメラアプリ「ARama!」に取り組む守下 誠だが、その関心の中心にあるのは「遊び」だという。ARama!のあとも、遊びを中心にユーザーが参加していくシステムを作り出す未来に思いを馳せている。
取材・文:山本貴也

守下 誠は、異能vationプログラムでの挑戦によってARカメラアプリ「ARama!(アラマ!)」を進化させていったが、その完成度は好意的に評価しても60%だという。ARama!開発の根本には、ユーザーがAR空間で自由に創造性を発揮できるアプリを作りたいという思いがあった。足りないと感じているのは、その自由度だ。

(インタビューの前編はこちら)

ARama!(アラマ!)

「まだ僕が提供している機能を受け取ってもらっているだけの気がしていて、ユーザーが本当に自由になれているかは微妙ですね。YouTubeやTikTokなどのプラットフォームは、ユーザーがクリエイティビティーを発揮してコミュニティー、エコシステムを盛り上げていく構図があります。そのようにユーザーが自由にコンテンツを作り、共有したくなるような仕組みを作っていきたいと思います」と守下は今後の展望を語る。

時代を追うごとに新しい技術が生まれ、それを使った新しい機能が作れるようになる。ARama!は徐々に成長していくもので、完成することはおそらくないという。ARama!の開発はこれからも続くが、守下の関心はそれにとどまらない。キーワードは「遊び」だ。

「遊びというのは特定の目的を持たなくても人が能動的に参加できる行為で、それ自体が人間に良い効果をもたらすものだと思います。ゲーム化を意味するゲーミフィケーションという言葉があります。たとえば、勉強やヘルスケアなどやるのになかなか気が進まないものも、ゲーム化するといつの間にかできているということがあります。今後ARama!を軌道に乗せて余裕ができたら、遊びをキーワードに、遊び感覚で学びが起きたり能動的にユーザーが参加できたりするような仕組みを作っていきたいと思っています」と守下は夢を描く。

ARama!(アラマ!)

最後に異能vationプログラムへの応募を考えている人へのメッセージを聞くと、「僕もたまたま通っただけですし、大きなことを成し遂げたわけでもないので大きなことは言えませんが」と断りながらも、次のような言葉を残してくれた。

「異能に応募したい人は、結構面白いことをやっているのに評価されないという気持ちの人が多いと思います。僕は異能の挑戦者に選ばれて、変なことであっても自分が面白いと思っていることを妥協せずに突き詰めていけば、面白がってくれる人は世の中にいるということを実感しました。異能は正にそうですが、こういうのを面白いと思って支援してくれるプロジェクトや人はほかにもあるはずです。お金になるかならないかではなく、情熱を注いで、自分はとにかくこれが好きなんだという作り方をしていったらいつか実るはずです。がんばってください」

メッセージを送るだけではない。守下はこれからも、自分が面白いと思っていることを突き詰める挑戦を続けていくことだろう。

Makoto Morishita

守下 誠プロフィール

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