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新着想の電子楽器「UDAR」(中編)

宇田道信

宇田道信が開発するオリジナルの電子楽器「UDAR」。インタビューの中編では、UDAR開発の歴史をお届けする。
取材・文:山本貴也

2015年度の異能vationプログラム破壊的な挑戦部門に選出された宇田道信は、オリジナルの電子楽器「UDAR(ウダー)」を発展させるべく開発を進める。まず手を着けたのが、設計ツールの変更だった。

(UDARの着想やプロトタイピングについて聞いた前編はこちら

それまで、宇田は平面CADで設計を行い、平面を切り出して組み合わせて立体形状を作っていた。しかし、異能vationでは新たな挑戦として3D CADを使い、3Dプリンターを使ってUDARを組み立てることにしたという。

「UDAR 4.5は部品点数が1000点以上あって、組み立てに非常に時間がかかっていたんです。3D CADに慣れるのは少し苦労しましたが、3Dプリンターを使うことで組み立ての手間がかなり省けるようになりました」

UDAR本体にも改良を加えることにした。それまでのUDAR 4.5は、外部のバッテリーとスピーカーにコードでつないで演奏するようになっていた。しかし、この形だと体の動きが制限されるうえ、ハンディーさにも欠ける。そこで、バッテリーとスピーカーをUDAR本体に内蔵するよう、仕様を大きく変えることにした。

「UDARに収めようとするとバッテリーはどうしても小さくなり、パワーが不足します。パワーを確保するには充電回路を載せたりいろいろやることがあるのですが、UDARは両手で軽く持てるほどの大きさしかありませんから、スペースがなくて大変でした」

スピーカーにも同じような問題が起こった。スピーカーをUDAR本体に内蔵しようとすると、どうしてもサイズが小さくなる。サイズが小さくなると音量が小さくなる。特に低音が出にくくなる。

「低音を出すには、スピーカーの径を大きくして、なおかつ箱の大きさを大きくするのが基本です。しかし、両手で掴んで演奏するUDARに収めようとしたら、スピーカーの径も箱も大きくできません。いろいろ研究した結果、パッシブラジエーターを使うことにしました。これはスピーカーの箱の内側に向かう空気の圧を強調することで小さなスピーカーでも低音が出せるようにする機構で、Bluetoothスピーカーにも使われているものです」

UDAR

まだ単体では動作しない時代のUDAR 4.7

こうして宇田はUDARの開発を進めたが、改良型のUDARは1年間という異能vationプログラム中には動くものにならなかった。しかし、収穫は小さくなかったという。

「3D CADを導入したり、バッテリーやスピーカーを内蔵する機構を作れたのも良かったのですが、一番大きかったのはUDAR 4.5に何が足りていなかったのがわかったことです。UDAR 4.5は、圧力センサーのスピードが決定的に足りていませんでした。
圧力センサーは、作動するスピードにより1秒間に圧力を見る回数が決まります。この回数は200回で十分だと考えていて UDAR 4.5ではその回数になっていたのですが、どれくらいの速度が本当に必要なのかを異能vation期間中に調べると、200回では全然足りないことがわかりました。最低でも500回ないと指のタッチに反応しきれないんです。ここを改善しなければと思いました」

異能vationプログラムにより、UDARの課題と開発の方向性が見えた宇田。次回は、異能vationプログラム以降のUDARの開発について話を聞く。

後編(12月13日公開予定)に続く


宇田道信プロフィール

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