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“無駄”の面白さを追い続けるYouTubeチャンネル「無駄づくり」(後編)

藤原麻里菜

YouTubeチャンネル「無駄づくり」で10万超のフォロワーを誇る藤原麻里菜だが、日本と海外では「無駄づくり」に対する反応が微妙に異なるという。
取材・文:山本貴也

藤原麻里菜はYouTubeのほかに、TwitterやInstagramなどでも無駄づくりの動画を公開している。YouTubeは日本人の視聴者が多いが、Instagramは6万を超えるフォロワーのうち9割ほどが海外だという。また、中国の動画投稿サイトでも動画を投稿しており、こちらにも10万人ほどのフォロワーがいる。2018年には台湾で個展を開催し、約2万5000人の来場者を動員するなど、藤原は海外にも多くのファンを持っている。

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日本人の反応と海外の反応は微妙に違うと藤原は言う。「海外のほうが、文脈を無視した無駄なものが好きなように感じます。日本人が多く見てくれているTwitterとかだと文脈があってこういう無駄なものを作りましたというものが受け入れられやすいのですが、海外の人が多いInstagramだと文脈関係なく、単純に無駄なものを作っても笑ってくれます」というのがその説明だ。

ただ日本、海外関係なく「見てくれている人の反応はうれしいです」と、反響が作品を作り続けるモチベーションのひとつになっている。

藤原はこれまで多様な無駄なものを作り続けてきたが、触って使えるリアルなものとしての作品がほとんどだった。今後制作を考えているのは、無駄なホームページや無駄なアプリ。また、「3Dモデリングの技術を上げてクオリティーの高い無駄なものも作りたい」と、もの作りへの意欲は衰えない。

藤原は、周囲から「異能に応募したいんだけど、どういう感じがいいかな」と相談されることが多いという。そのとき答えているのは、自分が考えていることをありのままに出すことだ。

「自分の変な部分は受け入れられないと思って、隠してしまったり、後付けで社会的意義などを考えたりしてしまいがちです。でも、変なものを変なままでプレゼンすることで、そこから審査員の方が宝石を見つけてくれるのが異能vationプログラムの良さだと思います。私自身すごく覚えているのは、異能の中間発表のとき、総務省の管轄だしちょっと社会の役に立つことをアピールしなきゃと思って、『こういうことで無駄づくりは社会の役に立つかもしれません』みたいなことをアピールしたんですよ。そうしたら、『そんなことはやらなくていいんだよ』と逆に怒られてしまって……。受かるために変なところを隠すとかそういうことをせず、ありのまま、変なままで行くのがいいと思います」

藤原の無駄づくりは、社会の役に立つようにと考えず、独自のアイデアをありのままに出すことが結果的に多くの人を驚かせ、社会に役立つことにつながっている。自分の独自性こそが、人の心を動かす原点なのかもしれない。

Marina Fujiwara

藤原麻里菜プロフィール

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