サンゴの人工抱卵

イノカは7月27日、IoT技術により水温を沖縄の久米島付近の海面水温と同期させた完全閉鎖環境内の実験にてサンゴの人工抱卵を実現したと発表した。

イノカは、水質・水温・水流・照明環境・微生物を含んださまざまなな生物の関係など、多岐に渡るパラメーターのバランスを取りながらIoT技術を用いて実際の自然環境と同期させ、特定地域の生態系を自然に限りなく近い状態で水槽に再現する「IoT環境移送技術」を開発。生態系の理解と再現(=「人工生態系」技術)の研究開発および社会実装を推進する東京大学発スタートアップ。

今回の実験は環境移送技術、虎ノ門にあるオフィスビル内の会議フロア一角にて2019年10月より実施。四季の変化をサンゴの採種元である沖縄の久米島付近の海と同期させ、水槽内では水温の調整のほか水流をつくることで沖縄の海のような波を人工的に発生させているという。

サンゴの人工抱卵

沖縄産の成熟したサンゴを利用し、アクアリウム用のサンゴライトで紫外線を照射。ライトは昼は太陽を浴びるような明るさ、夜間は月明かりに照らされる程度の明るさにすることで、水槽内の環境を沖縄の海に可能な限り近づけて実験を行なった。

5月中旬にサンゴを折って確認したところ、体内での抱卵を確認できたという(例年の産卵タイミングである6月中旬には卵が確認できず、体調悪化によって卵が吸収されたとみられるため産卵には至っていない)。

8月からサンゴの人工産卵のための実証実験を再始動し、2021年3月には世界初の産卵時期をコントロールした人工産卵成功を目指すとしている。